八ヶ岳南麓の米どころ「武川」
山梨県北杜市の西南エリアにある「武川(むかわ)」とは、南アルプスに端を発する釜無川より流れる、ミネラル豊富な砂によって磨かれた水が豊富な場所。昔からこの土壌で作られる米は評価が高く、「武川米」は江戸時代には将軍様に献上したとも言われています。そんな北杜市武川町で米農家を営む「八十八屋」は、品質を保つため種籾撒きから精米まで全て自前で行っています。栄養を逃さぬよう精米は七分づき。胚芽が残るややクリームがかったお米で、ビタミンやミネラルを多く含みます。屋号の八十八屋は、「米」という漢字をバラして名付けられました。
米作り名人だったお祖父さんの意志を継いで、孫が作る「お米」
「八十八屋」はまだ20代の若手農家・須賀大才さんが丹精込めて作るお米のブランド。須賀大才さんは3人兄弟の末っ子で、小さなころから畑で泥遊びをしながらお祖父さんの米作りを見て育ち、中学生の頃には「農家になりたい」と思い始めたそう。地元の農業系高校から北杜市長坂町にある山梨県立農業大学校を出た後、家族には「農業は大変だから…」と反対されるも、想いは強く、2014年に農家としての道を歩み始めました。
そんな大才さんがあこがれたお祖父さんは、若かりし頃一度は東京で就職しましたが、地元・武川に戻って米農家となった方。武川のお米といえば、昔は「農林48号」通称「よんぱち」のことでしたが、デリケートで作るのが難しいため、他の品種に押され、一時期市場では見かけることのないお米になりました。そんな「よんぱち」が幻となり消えかけた時に復活を託され、見事に栽培させた立役者がお祖父さんでした。
種籾の選別から、種まき・苗づくり、刈り取り・乾燥、製品化まで、全てを自前で行っていたお祖父さんのこだわりの米作り。そのストイックなお米作りへの姿勢は現在、お孫さんである大才さんにしっかりと受け継がれています。
こだわりは最後の精米まで!米に優しく、最後は手の感覚で
稲刈りまでではなく、精米まで行うのが「八十八屋」のこだわりです。米にストレスのかからない循環式の精米機を使い、最後は「手の感覚」で仕上げます。「ぬかの量」「温度」「手触り」など、お祖父さんに叩き込まれた技と、大才さんが科学的に落とし込んだ技術を合わせ、よりおいしいお米になるよう、日々試行錯誤されています。
味わいの違いが楽しめる、2種類のお米をお届けします
「八十八屋」では、幻のお米「よんぱち」と、みんな大好き「コシヒカリ」を作っています。
幻の武川米「よんぱち」
武川米といえば、昔は「よんぱち」のことでした。「よんぱち」は粘りが強く、やさしい風味で人気のお米でしたが、デリケートで作るのが難しいため、他の品種に押され、一時期市場では見かけることのないお米になりました。
一部の農家で栽培は続けられましたが、農家の保有米とされ市場にも出回りませんでした。そんな折に、都内のお寿司屋さんが「よんぱち」の魅力を再発見し、使用したことがきっかけとなり、再び世の中に注目されるようになりました。
名称もそのまま「農林48号」から「よんぱち」と呼ばれるようになり、武川のよんぱちと呼ばれ現在に至ります。産地の大半は北杜市(一部韮崎市など)が占め、他の地域では食べられない品種です。毎年秋に行われる収穫祭「武川・米米まつり」には、県内外、特に首都圏から大勢の人々が「よんぱち」を買いにきます。
味の特徴をひと言で言うと「小粒でさっぱりとしていて やさしい風味」です。
また「おにぎりにしておいしい」と言われる通り、一粒一粒がしっかりとしていて、水分は少な目なので、冷めてもおいしく食べられます。
みんな大好き「コシヒカリ」
日本のお米の中で生産量も多く、人気の品種です。八十八屋のコシヒカリは、粘りが強く艶やかで粒ぞろいもよいのが特徴です。ご家庭でも扱いやすく、普通に炊いていただければ失敗することなく、美味しくお召し上がりいただけます。
味の特徴をひと言で言うと「粒ぞろいがよくしっかりしている 程よい風味とねばり」なので、どんなおかずでもよく合います。
ハチカッテでは、よんぱち米とコシヒカリの食べ比べが出来る「よんこし」セットも販売しています。お好きな品種をお選びください。