里山がまるごと。
後山の味。
信州諏訪湖の南西、
行き交う車も少ない山道を
しばらく進んだ先に小さな集落があります。
小さな里山の集落、後山地区です。
江戸時代前期の慶安
4
年(
1
6
5
1
年)の
新田開発で拓かれたこの地区は、
現在も
20
世帯ほどが暮らす隠れ里のような場所。
人口
70
人に満たない集落ですが、
ここはさまざまな名産品が生み出されている地域。
古くからの名物である松茸をはじめ、養蜂、農業、畜産など、
さまざまな食が育まれています。
後山の面白さは、
ただおいしいものがいろいろつくられている
という点だけではありません。
この里山の環境がそのまま採れるものの味に反映されること。
たとえば、周辺に咲く花や育てているものが変われば、
蜂たちが集める蜜も変わり、蜂蜜の味が変わる。
山の松の年齢などによって採れる松茸も変わる。
小さな集落だからこそ、
環境や暮らしの変化がそのまま味にも関わってくる。
その味は、里山がまるごと入った味といえます。
小さな小さな集落なので、
生産品の収穫量も少なく、
地元周辺でしか
なかなか食べることができないものばかり。
里山だからできる、
ここでしか食べられない名品が
後山生まれの食べ物なんです。
「後山の普通」という特別な味
「ここにいいところなんてあるかねぇ?(笑)」。
後山で生きる人々はそんなふうに笑います。市街地までは車で30分ほど。誰もが車に乗るようになった現在はともかく、かつては生活も不便だったという話が盛り上がります。
ですが、ここで採れるものについて聞くと「何でもうまいよ」と話します。
「オレらは普段から食べてるからこういうもんだと思ってるけど、よその人が食べると『おいしいおいしい』って言ってくれるんだよね」
後山は秋の松茸や、長芋、とうもろこしといった農産物、豚などの畜産物に蜂蜜と、小さ な集落とは思えないほどさまざまなものが採れる場所。標高1000mを超える高地なら ではの寒暖差も大きなポイントですが、それだけでなく、それぞれの産業がつながってい る、自然と一体化した地域なのも特徴です。
土や環境が農産物に影響するのはもちろん、育てられる作物や花が蜂蜜の味をつくったり、気候や山の状況が松茸の育成状況を変えたり、集落の人と自然が後山の味を育んでいます。
「生き物や自然、植物が相手だからいろいろなことが関係するし、いいときもあれば悪いときもあるでな」
そう笑いながら後山の人々は今日も集落で生きています。
後山を出る人もいれば、ここに戻ってくる人も。
金子さん(写真右)もそのひとりです。
後山松茸
恵みの山が生み出す
〝秋の味覚の王様〟
日本の秋の代表的な味覚である松茸。アカマツの根元に自然生息する天然のきのこで、後山地区 では9月から10月に地表に顔を出します。
古くから日本人に愛されてきた松茸ですが、実は日本国内に出回っている松茸の9割以上が輸入品という現状があります。松喰いムシや地球温暖化などの問題により、国産松茸の収穫量は激減。年々貴重な食材になってきています。
後山の松茸は、先祖代々の山を手入れし、マツ林を守ってきたからこそ味わえる山の恵みなのです。
国産ならではの味と香り
松茸の香りは時間とともに薄れてしまうため、輸入品と国産では品質に大きな差があります。熟練の名人が丁寧に選別した松茸を、鮮度を損なわない産地直送でお届けしています。
「つぼみ」…松茸の中でも最上級の等級。香りと旨みのバランスがよく、焼き松茸、土瓶蒸しに適しています。大切な方への贈り物にも。
「ひらき」…かさが開いた状態の「ひらき」は香りが広がりやすいのが特徴。炊き込みご飯やすきやきなど、他の食材と合わせても松茸の香りが楽しめます。
「つぼみ」と呼ばれる最高級品。
香りと旨みのバランスがよく、焼き松茸などに適しています
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